Vol.1はこちらです。

6.あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

A-1 Picturesが制作した、2011年放映のオリジナルテレビアニメ

引きこもり生活を送る宿海仁太(やどみじんた)(じんたん)の前に突然現れたのは、小学生のころ事故死した友人・本間芽衣子(ほんまめいこ)(めんま)でした。

めんまの「ある願い」を叶えるため、彼女の死で疎遠になっていた遊び仲間「超平和バスターズ」の5人は引き寄せられるように再会。高校生になった面々は、めんまの死を乗り越えられないまま、それぞれに屈折した思いを抱えていて……。

あの花」の略称でファンに親しまれる、「泣けるアニメ」の代表格です。

2013年には長編アニメ映画版が、2015年には実写映画版が公開された他、2022年には舞台化もされるなど、テレビ放映終了後もメディアミックス展開が続いています。また、放映10周年を迎えた2021年には、アニバーサリープロジェクトとしてイベントなども開催されました。

旧秩父橋(きゅうちちぶばし)(埼玉県)

「あの花」といえばこの橋。オープニングや作中でも橋を走るシーンが登場し、アニメのキービジュアルの背景にも描かれました。

埼玉県の有形文化財に指定されている旧秩父橋。2023年3月には、この橋のマンホール蓋4枚が「あの花」デザインになりました。

【アクセス】

埼玉県秩父市阿保町3795

秩父鉄道・大野原駅から徒歩約10分

札所17番・実正山定林寺(じっしょうざんじょうりんじ)(埼玉県)

「超平和バスターズ」がかくれんぼをしていた場所であり、高校生になった5人の集合場所でもあった定林寺。すれ違っていた5人は、ここで再びお互いの思いをぶつけ合うことになります。

【アクセス】

埼玉県秩父市桜木町21-3

西武秩父線・西武秩父駅から、西武観光バスの小鹿野車庫・栗尾方面に乗車。札所十七番入口バス停下車、徒歩3分

7.サマーウォーズ

「時をかける少女」「竜とそばかすの姫」などを手掛けた細田守が監督した、2009年公開の長編アニメ映画

仮想空間「OZ」でゲームから行政手続きまで行うようになった日本。主人公の小磯健二(こいそけんじ)は高校2年生の夏休み、憧れの先輩・篠原夏希(しのはらなつき)にお願いされ、彼女の曾祖母が当主を務める陣内(じんのうち)家の屋敷を訪れます。

由緒正しい旧家に圧倒される健二は、夏希の恋人役を演じることになってしまい……!?さらにOZ」で起きた騒動に巻き込まれ、夏希の一族とこれを解決しようと奮闘します。長野県上田市を舞台に、日本の原風景のリアルとバーチャルとが交錯するSF青春劇です。

上田城跡公園(うえだじょうせきこうえん)(長野県)

夏希の曾祖母が住む屋敷の門は、上田城・東虎口櫓門(ひがしこぐちやぐらもん)がモデルです。

上田城は、1583年に真田幸村の父・昌幸が築きました。徳川軍を2度退けた名のある城ですが、関ヶ原の戦い(せきがはらのたたかい)後、徳川家に壊されてしまいます。それから再建や移築、取り壊しを繰り返し、3基の櫓と東虎口櫓門などが残る現在の姿になりました。

【アクセス】

長野県上田市二の丸6263-イ

JR東日本/しなの鉄道・上田駅から徒歩約12分

8.秒速5センチメートル

新海誠が監督した、2007年公開の連作短編アニメ映画。「桜花抄」「コスモナウト」、そして表題作「秒速5センチメートル」の3本で構成されています。

小学校の同級生だった遠野貴樹(とおのたかき)と篠原明里(しのはらあかり)は、引かれ合いながらも、互いの転校や環境の変化ですれ違っていきます。貴樹と明里、そして貴樹が転校先で出会った澄田花苗(すみだかなえ)を加えながら、大人になっていく彼らの人生をたどる物語です。

岩舟駅(いわふねえき)(栃木県)

東京から鹿児島に転校することが決まった中学生の貴樹は、引っ越し前に栃木に住む明里に会いに行く決心をします。大雪で電車が遅れて深夜に到着した貴樹を、明里はこの待合室でずっと待っていました。

作中、貴樹は新宿駅で乗り替えて岩舟駅に向かいます。新宿駅から岩舟駅までは約2時間の旅。訪れる際はぜひ、中学生の貴樹が明里に会いに行くまでの冒険に思いをはせてみてください。

【アクセス】

栃木県栃木市岩舟町静

JR東日本両毛線・岩舟駅

中山海岸(なかやまかいがん)(鹿児島県・種子島)

家族の転勤が多かった貴樹が、高校時代を過ごしたのは種子島でした。貴樹の同級生だった花苗は、彼への恋心や進路に悩みながら、よくこの海岸でサーフィンをしていました。

中山海岸はサーファーにも人気のスポットなので、花苗のようにサーフィンの練習をしている姿が見られるかもしれませんね。

【アクセス】

鹿児島県熊毛郡中種子町野間

種子島西之表港から車で約40分

9.となりのトトロ

STUDIO GHIBLI「作品静止画」より,© 1988 Studio Ghibli

宮崎駿が監督した、1998年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメ映画。1950年代後半の日本を舞台に、田舎に引っ越してきた姉妹・サツキとメイが森に住むふしぎな生き物“トトロ”と交流する姿が描かれます。

狭山丘陵(さやまきゅうりょう)(埼玉県・東京都)

STUDIO GHIBLI「作品静止画」より,© 1988 Studio Ghibli

埼玉県と東京都にまたがる狭山丘陵は、「となりのトトロ」の舞台の一つといわれています。約3,500ヘクタールにも及ぶ丘陵地は、トトロが暮らす森をほうふつとさせる自然の宝庫。豊かな里山では、キツネやタヌキといった動物の他、鳥や昆虫、四季折々の植物を見ることができます。

6つの都立公園が設立されている狭山丘陵。1990年には「トトロのふるさと基金委員会」が発足。後身である「公益財団法人トトロのふるさと基金」が、現在も「トトロの森」と称した土地一帯の買い取りや環境保全活動を行っています。

【アクセス】

埼玉県所沢市上山口雑魚入351(左記はトトロの森1号地の所在地)

西武鉄道狭山線・西武球場前駅から徒歩約30分

YouTubeでも狭山丘陵の自然をのぞくことができるので、ぜひチェックを!

「トトロの森公式動画‐トトロの森のこえ‐」公益財団法人トトロのふるさと基金

クロスケの家(埼玉県)

STUDIO GHIBLI「作品静止画」より,© 1988 Studio Ghibli

「トトロのふるさと基金」が管理しているクロスケの家は、築100年を超える古民家で、母屋・土蔵・製茶工場は国の有形文化財に登録されています。以前は製茶業を営む農家が暮らしており、家屋から当時の生活を感じることができるでしょう。

作中に登場する、古い家に住む妖精「まっくろくろすけ」が出てきそうなこの家屋には大きなトトロの置物もあり、訪れた「となりのトトロ」ファンを出迎えてくれます。なお、見学するためには事前の申し込みが必要です。

【アクセス】

埼玉県所沢市三ケ島3-1169-1

西武鉄道池袋線・小手指駅から、早稲田大学・宮寺西方面バスに乗車。大日堂バス停から徒歩約5分

要事前申し込み・入場料500円(トトロのふるさと基金の活動費用に使われます)

10.SLAM DUNK

漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」で1990年から1996年まで連載した、井上雄彦によるバスケットボール漫画

不良少年だった桜木花道(さくらぎはなみち)は、同級生の赤木晴子(あかぎはるこ)に勧められるまま神奈川県立湘北高校バスケットボール部に入部。素人ながら、その類まれなるバイタリティと身体能力で、才能を開花させていきます。

2022年12月には、作中のある試合を描いた長編アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」が公開されました。

鎌倉高校前駅(かまくらこうこうまええき)(神奈川県)

1993年から1996年まで放映されたテレビアニメのオープニングで登場する、花道が踏切前に立つシーンは鎌倉高校前駅近くの踏切がモデルといわれています。踏切の向こうに見えるキラキラ輝く海も、まさにアニメで見たシーンそのもの!

一方で、撮影のために車道に人があふれるなど、迷惑行為が問題になっています。マナーを守った観光をしたいですね。

【アクセス】

神奈川県鎌倉市腰越1-1-25

江ノ電・鎌倉高校前駅下車、七里ヶ浜駅方面に向かってすぐ

まとめ

いかがでしたか?知っているアニメ・漫画はあったでしょうか?

ご紹介した聖地巡礼スポットはこちらです。

1.「鬼滅の刃」あしかがフラワーパーク(栃木県)、浅草寺(東京都)

2.「君の名は。」日枝神社(岐阜県)、立石公園(長野県)、須賀神社(東京都)

3.「千と千尋の神隠し」積善館(群馬県)、下灘駅(愛媛県)

4.「もののけ姫」白谷雲水峡(鹿児島県・屋久島)、白神山地(青森県・秋田県)

5.「美少女戦士セーラームーン」東京タワー(東京都)、麻布氷川神社(東京都)

6.「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」旧秩父橋(埼玉県)、札所17番・実正山定林寺(埼玉県)

7.「サマーウォーズ」上田城跡公園(長野県)

8.「秒速5センチメートル」岩舟駅(栃木県)、中山海岸(鹿児島県・種子島)

9.「となりのトトロ」狭山丘陵(埼玉県・東京都)、クロスケの家(埼玉県)

10.「SLAM DUNK」鎌倉高校前駅(神奈川県)

今回ご紹介したのはほんの一部です。

他にもアニメ・漫画の聖地は日本各地に存在します。

また、アニメ・漫画の関連施設も全国にたくさんあります。例えば、鳥取県東伯郡北栄町の「青山剛昌ふるさと館」では「名探偵コナン」、神奈川県川崎市の「藤子・F・不二雄ミュージアム」では「ドラえもん」の展示が楽しめます。

日本人にとって、大好きなアニメ・漫画が世界の人々にも愛されていることはとてもうれしいことです。アニメや漫画を好きな人同士で話をしたら、きっと仲良くなれますよ。ぜひ日本に来て、アニメ・漫画の聖地や関連施設を訪れてみてください!大歓迎です!

※聖地巡礼の際はマナーを守り、近隣住民への迷惑にならないよう注意しましょう。

参考)

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読売新聞オンライン「「すずめの戸締まり」中国で興行収入157億円…関係冷え込んでも、日本アニメは快進撃」,2023年5月5日,https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20230505-OYT1T50054/(閲覧日:2023年5月12日)

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THE GATE「屋久島【白谷雲水峡】ジブリ作品『もののけ姫』の世界へ!」,2023年10月,https://thegate12.com/jp/article/149(閲覧日:2023年5月12日)

Travel Note「もののけ姫の舞台は屋久島と白神山地!見どころやアクセスを紹介!」,2020年10月8日,https://travel-noted.jp/posts/20861(閲覧日:2023年5月12日)

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信州上田観光ガイド「上田城紹介」,『上田城』,https://nagano-ueda.gr.jp/uedajo/about.html(閲覧日:2023年5月12日)

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THE FIRST SLAM DUNK「ABOUT SLAM DUNK」,https://slamdunk-movie.jp/about/slamdunk/(閲覧日:2023年5月12日)

THE FIRST SLAM DUNK「PROLOGUE」,https://slamdunk-movie.jp/about/prologue/(閲覧日:2023年5月12日)

東映アニメーション作品ラインナップ「スラムダンク」,https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/movie_slumdunk/(閲覧日:2023年5月12日)

映画.com「映画「THE FIRST SLAM DUNK」」,https://eiga.com/movie/94436/(閲覧日:2023年5月12日)

skyticket「【スラムダンク】踏切の場所は?江ノ電・鎌倉高校前の踏切はここ!」,2022年5月6日,https://skyticket.jp/guide/459577(閲覧日:2023年5月12日)

東京新聞「「スラムダンク」の聖地、海が見えるあの踏切が再びにぎわい 迷惑行為も問題に「コロナで静かだったのに」」,2023年2月2日,https://www.tokyo-np.co.jp/article/228894(閲覧日:2023年5月12日)

江ノ電「鎌倉高校前駅」,https://www.enoden.co.jp/train/station/kamakurakokomae/(閲覧日:2023年5月12日)

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。「イントロダクション」,https://www.anohana.jp/tv/intro/index.html(閲覧日:2023年5月12日)

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。「イントロダクション」,https://www.anohana.jp/#intro(閲覧日:2023年5月12日)

FOD「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」,https://fod.fujitv.co.jp/title/4715/(閲覧日:2023年5月12日)

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。10th アニバーサリープロジェクト「TOP」,https://10th.anohana.jp/(閲覧日:2023年5月12日)

舞台 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。「TOP」,https://anohanastage.com/(閲覧日:2023年5月12日)

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