「お客さまにメールを送るとき、失礼な書き方をしてしまったらどうしよう。」
「会社の人に書類を作るときは、どんな風に書けばよいのかな?」

仕事で文書を書くことになったとき、書き方がわからないと困ります。

ビジネス文書には種類があり、それぞれに決まった形があります。それぞれのテンプレートがあるので、確認しておけば難しくはありません。

仕事でビジネス文書を書くときに困らないように、この記事を読んでください。

1. ビジネス文書の書き方を学ぶ前に

まずは、ビジネス文書の基本について学びましょう。

1-1. ビジネス文書とは

ビジネス文書とは、仕事で使う文書のことです。ビジネス文書の書き方を知っていると、仕事をうまく進めることができます。なぜなら、仕事依頼の内容を正しく伝えることができるからです。

1-2. ビジネス文書が必要な理由

直接話すことや、電話を使うことでも、内容を伝えることはできます。でも、相手が聞き間違えてしまうことがあります。さらに、伝えた内容も残らないので、あとで確認することもできません。

文書にすると、伝えたいこと正確に伝えることができます。また、一度にたくさんの人に伝えることができることも文書のよいところです。

2. ビジネス文書の種類と書き方

ビジネス文書には、「社内文書」「社外文書」があります。それぞれの書き方を覚えるのは大変に思うかもしれませんが、パソコンのofficeソフトテンプレートがあります。

Microsoftのサイトには、ワードエクセルで作れるテンプレートがたくさん紹介されているので、見てみてください。無料で使えるものもたくさんあります。

参考)
Microsoft「職業別おすすめのテンプレート 企業編」,https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/business

2-1. 社内文書

社内文書は、自分が働いている会社の人に、仕事の報告をしたいときや、指示をするときなどに使います。

・社内文書の種類
・書くときに気を付けること
・社内文書の例

・社内文書の種類

社内文書には、仕事の指示命令をする「指示書」・必要な情報を知らせる「報告書」・上司に許可をもらうための「稟議書」会議の内容をまとめた「議事録」などがあります。

社内文書には、次のような種類があります。
(1)指示書:仕事の指示命令をする文書
(2)報告書:必要な情報を知らせる文書
(3)稟議書:上司に許可をもらうための文書
(4)議事録会議の内容をまとめた文書

・書くときに気を付けること

社内文書を書くときは、必要なことだけ正確に、短く書くようにしましょう。そうすると、ほかの人が読んだときに、すぐに内容を理解できます。

また、複雑な内容を書くときは、「箇条書き」という方法を使うと、わかりやすくなります。

社内文書は、会社フォーマットを用意していることが多いです。ほかの人が作った文書を見ながら書いてみましょう。

・社内文書の例

たとえば報告書は、このように書きます。

※ライトワークス編集部にて作成

ほかの人が見て、すぐに「研修会に参加したことを報告する内容の文書」だとわかりますね。「感想」では、先に結論を述べて、次にその理由を書くと、読みやすくなります。

詳しい情報を報告するときは、「添付書類」として別紙にまとめましょう。

2-2. 社外文書

社外文書は「会社の外」、つまり、お客さまなどほかの会社の人に送る文書です。

・社外文書の種類
・書くときに気を付けること
・社外文書の例

・社外文書の種類

社外文書には、「取引関連文書」「社交儀礼文書」があります。

取引関連文書は、契約交渉をするときに使います。「依頼書」「注文書」、「請求書」などがあります。

社交儀礼文書は、発表会説明会お知らせをしたり、感謝気持ちを伝えたりして、お客さまよい関係を作るために使います。「案内状」「礼状」などがあります。

・書くときに気を付けること

社外文書は、会社として出すので、社内文書よりもていねいに書きます。あいさつの文章も書きます。

取引関連文書は、依頼する内容や、請求する金額などをわかりやすく正確に書くようにします。

社交儀礼文書は、礼儀を大切にする文書なので、書き方の決まりをしっかり守りましょう。「拝啓」や「敬具」などの言葉の組み合わせを間違えないように気を付けます。

どちらも基本のフォーマットがあります。あいさつの文章は、インターネットで調べながら書くとよいでしょう。

・社外文書の例

たとえば、社交儀礼文書の案内状は、このように書きます。

※ライトワークス編集部にて作成

文章の最初に、「拝啓」から始まる「前文」という文章を書きます。前文を書くと、相手に感謝の気持ちを伝えることができます。

日本は季節に合わせてあいさつの言葉を変えます。

たとえば、「初秋の候」という言葉は、9月の初めに使います。9月15日あたりになると、涼しくなってくるので「涼風の候」と書くことができます。

次のサイトを見ると、季節あいさつの言葉がわかります。参考にしてください。

参考)
挨拶状ドットコムProfessional「季語一覧」,https://www.aisatsujo.com/e_order/kigo.html

日時会場の情報は、「記」「以上」の間にまとめて書きます。書き忘れをしないように気を付けましょう。

3. 電子メールとFAXの使い方

ビジネス文書は、電子メールFAXを使って送ることもできます。

3-1. 電子メールを送るとき

電子メールは、簡単に使えてコストがかからないので、便利な手段です。しかし、一度送ってしまうと消せません

次の例を参考にして、電子メールを送るときのマナーを覚えましょう。

<電子メールの例>

※ライトワークス編集部にて作成

送る相手内容を間違えていないかを何度も確認しましょう。CCやBCCもきちんと使い分けます。

件名は、どんな内容か見ただけですぐにわかるものにします。また、本文は、相手が読みやすいように、改行を使いましょう。仕事なので、星や音符のような記号や、顔文字は使いません。

電子メールを送信する前に、「機密情報が入っていないか」「よい内容になっているか」を確認しましょう。

内容が複雑なときや、話す方が説明しやすいときは、電子メールではなく電話を使います。

3-2. FAXを送るとき

紙の資料しかない場合や、資料に手でコメントを書いた場合は、FAXを使うとよいです。

<FAXの「送付状」の例>

※ライトワークス編集部にて作成

FAXも、電子メールのように一度にたくさんの人に送ることができます。

担当者だけでなく、ほかの人も見ることができるので、誰に送ったものなのかがわかるように、宛先と送りたい相手内容、送る枚数を書いた「送付状」を付けましょう。

そして、FAXを送る前かあとに、メールや電話で相手の会社へ連絡をします。そうすると、相手にすぐに見てもらえたり、きちんと送れていることを確認できたりします。

FAXでは、写真小さい字はきれいに送れないことがあります。大きく印刷して送るなど、工夫をしましょう。

4. ビジネス文書を書くときに役立つ本

ビジネス文書を書くときに役立つ本を紹介します。

白崎佐夜子「10の基本ルールで学ぶ 外国人のためのビジネス文書の書き方」スリーエーネットワーク 2021

「10の基本ルールで学ぶ 外国人のためのビジネス文書の書き方」スリーエーネットワーク 2,021 1

中級レベルの日本語を使う人に役立ちます。社内文書を書くときに使います。

社内文書の中でよく使う「日報」「研修報告書」「議事録」「稟議書」「提案書」について学ぶことができ、練習問題もあります。

説明には漢字も使われていますが、全てに読み方が付いています。
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松本節子 ほか「日本語でビジネスメール ―書き方の基本と実用例文」ジャパンタイムズ2018

「日本語でビジネスメール ―書き方の基本と実用例文」ジャパンタイムズ20181

中級から上級レベルの日本語を使う人に役立ちます。特に、ビジネスメールを送るときに使う本です。

ビジネスメールを、社内の人や社外の人に送るときに使う例文がたくさん書かれています。

英語訳も付いているので、英語を使う人は読みやすいです。書きたい内容を、英語で探すこともできます。

日本語の文字を入力する方法も紹介しています。例文には、ローマ字も付いているので、そのまま入力して使うことができます。
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村野節子 ほか「タスクで学ぶ日本語ビジネスメール・ビジネス文書 ―適切にメッセージを伝える力の養成をめざして」スリーエーネットワーク 2014

「タスクで学ぶ日本語ビジネスメール・ビジネス文書 ―適切にメッセージを伝える力の養成をめざして」スリーエーネットワーク 2014 1

上級レベルの日本語を使う人に役立ちます。

タスク形式の問題を解きながら進めるので、実際の職場で使うことをイメージしやすいのが特徴です。
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ビジネス文書を書く具体的な方法やコツは、教材で詳しく紹介しています。もっと詳しく知りたいと思ったら、教材を見てみてください。

5. まとめ

ビジネス文書は、仕事や依頼の内容を正しく伝えるための文書です。文書にすることで、正確な内容を、一度にたくさんの人に伝えることができます。

ビジネス文書は、社内文書社外文書があります。それぞれのテンプレートを使って書くとよいでしょう。

社内文書は、ほかの人が見たときに内容がすぐにわかるように書きます。社外文書を書くときは、内容、あいさつ文に間違いがないか、念入りに確認します。

ビジネス文書を送るときは、電子メールFAXを使うと便利です。

電子メールは、送り先内容を間違えないように気を付けます。

FAXは、「小さすぎて見えにくい文字や画像がないか」を送る前に確認します。そして、相手にメールや電話でFAXを送ることを連絡します。そうすると、エラーで送れなかったときもすぐに対応できます。

ビジネス文書をきちんと書けると、仕事をうまく進めることができて、相手に信頼されます。正しいビジネス文書の書き方を学んで、仕事で活用してください。

参考)
挨拶状ドットコムProfessional「季語一覧」,https://www.aisatsujo.com/e_order/kigo.html,(閲覧日:2022年5月12日)