「それ、ハラスメントじゃない?」

日本の企業で働いていると、こんな言葉を聞くことがあると思います。

ハラスメントとは何でしょう?日本人は「ハラスメント」をとても気にします

あなたも、知らないうちにハラスメントを受けるかもしれません。ハラスメントについて知識がなかったら、気付くことができません。ハラスメントをされて嫌な気持ちになった時に、どうしたら良いかもわかりません。

知らないうちに、あなた自身がハラスメントをしてしまうリスクもあるでしょう。

そこで、ハラスメントについて知りましょう。この記事で、よくあるハラスメントについて説明します。

「ハラスメント」は、あなたの国では知られていないかもしれません。でも、日本で働くなら必ず知っておいた方が良い言葉です。ぜひ読んでみてください!

1. 日本人が注意している「ハラスメント(harassment)」とは?

1-1. ハラスメントとは何でしょう?

ハラスメント(harassment)は「嫌がらせ」や「いじめ」と訳されます。日本では、「嫌なことをして相手を傷つけること」「職場で相手をいじめて仕事をさせにくくすること」という意味で使われることが多いです。

1-2. 日本には色々な種類のハラスメントがある

日本には30種類以上のハラスメントがあるといわれています。ハラスメントの多くは「○○ハラ」と短く表現されます。

こんなハラスメントが、よく知られています。

セクハラ(sexual harassment)

・パワハラ(power harassment)

・マタハラ(maternity harassment)

・モラハラ(moral harassment)

・レイハラ(racial harassment)

あなたが知っているハラスメントは、ありますか?

1-3. ハラスメントは法律違反です

ハラスメントをすると、法律違反になることがあります。ハラスメントの内容によっては、逮捕されることもあります。

2. よくあるハラスメント

会社でも、ハラスメントが起こることがあります。ここでは、会社でよくあるハラスメントについて説明します。しっかり理解しましょう。

2-1. セクハラ(sexual harassment)

「セクハラ」は、相手に性的な言葉を言ったり、性的な行動をしたりして、相手を嫌な気持ちにさせることです。例えば、女性の社員に「足がきれいですね」と言ったり、足を触ったりすることです。

また、上司が部下に、無理に性的な関係を求めることも、セクハラです。部下は、もし断ったら、会社をやめさせられたり、給料を減らされたりするかもしれない、と不安でしょう。これは、上司という立場を利用したセクハラです。

なお、男性が女性に行うセクハラだけでなく、女性が男性に行うセクハラもあります。悩んでいる男性がいたら、教えてあげましょう。

2-2. パワハラ(power harassment)

「パワハラ」は、上司などのえらい人が、部下などの弱い人をいじめることです。言葉でいじめることも、暴力をふるうことも、パワハラです。

たとえば、たくさんの人がいる前で、わざと大きな声で叱ったり、仲間はずれにしたりすることです。また、頭や顔を叩くことです。部下は、上司が怖くて、文句を言えないかもしれません。毎日パワハラを受けたら、心の病気(うつ病など)になってしまうかもしれません。

上司は、部下をいじめるために、別の仕事ばかりさせるかもしれません。たとえば、パソコンを使う仕事ができるのに、掃除ばかりさせるかもしれません。そして、給料を下げるかもしれません。これも、パワハラです。

2-3. レイハラ(racial harassment)

「レイハラ」は、人種や国籍などによる差別をして、相手を嫌な気持ちにすることです。例えば、「○○人は怠ける」と言ったり、「外国人だから」という理由で仲間外れにしたりすることです。

髪の色や、肌の色、目の色、名前、話す言葉、文化などを、ばかにすることも、レイハラです。

3. ハラスメントかな?と思ったら

自分が「これは嫌だな、ハラスメントじゃないかな?」と思ったら、どうすればよいでしょうか?ここでは、ハラスメントを受けたときのことを、説明します。

3-1. 自分が不快に感じたら「ハラスメント」です

どんなことを、どこまでやったらハラスメントなのか、それは決められていません。人によって、「嫌だな」と感じる言葉や行動は違うからです。

だから、自分の気持ちを大切にしましょう。「嫌だな」と感じることを、そのままにしておくと、ストレスが溜まって、日本での生活や仕事が辛くなってしまいます。心の病気(うつ病など)になってしまうかもしれません。

相手がハラスメントだと思っていなくても、あなたが嫌な気持ちになったら、それはハラスメントだということです。

3-2. 相談窓口や周囲の人に相談しよう

ハラスメントを受けたと感じたら、誰かに相談しましょう。一人で我慢してはいけません。誰にも知らせなかったら、ハラスメントはなくなりません。あなたが「嫌だな」と感じることを、他の人に知らせたら、ハラスメントは減っていきます。

多くの会社には、ハラスメントについて相談するための窓口があります。上司や同僚に、聞いてみましょう。でも、その上司や同僚からハラスメントを受けていたら、相談ができないかもしれません。その場合は、以下の窓口に相談してみてください。

外国人労働者向け相談機関

・外国人労働者向け相談ダイヤル、労働条件相談ほっとライン、外国人労働者相談コーナー

https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/foreigner.html

・総合労働相談コーナー

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

・外国人特別相談・支援室(東京都)

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/fresc.html

オンラインで今すぐ、学べる。

4. まとめ

今回は「ハラスメント(harassment)」について解説しました。

ハラスメントは、「嫌がらせ」や「いじめ」と訳されます。こんなハラスメントが、よく知られています。

・セクハラ(sexual harassment)

⇒性的な言葉や言動で、相手を嫌な気持ちにすること

・パワハラ(power harassment)

⇒上司などのえらい人が、部下などの弱い人をいじめること

・レイハラ(racial harassment)

⇒人種や国籍などによる差別をして、相手を嫌な気持ちにすること

相手がハラスメントだと思っていなくても、あなたが嫌な気持ちになったら、それはハラスメントです。

ハラスメントを受けたら、誰かに相談しましょう。一人で我慢してはいけません。

ハラスメントについて理解して、日本でもっと楽しく働きましょう!

参考)

厚生労働省「ハラスメントの定義」,『ハラスメント裁判事例、他社の取組などハラスメント対策の総合情報サイト あかるい職場応援団』,https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about(閲覧日:2022年12月22日)

厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)「I 職場におけるセクシュアルハラスメント」,『職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠 ・ 出産 ・ 育児休業 ・ 介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です!!』,2018年10月,p2-4,https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000378144.pdf(閲覧日:2022年12月22日)

厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」,『政策について』2012年1月30日,https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021hkd.html(閲覧日:2022年12月22日)

厚生労働省「管理職向け 職場のハラスメント対策セミナー2018」, https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000474784.pdf(閲覧日:2022年12月22日)

香川県さぬき市「レイシャルハラスメントって知ってる??~外国人の人権について考えよう~」,『人権啓発情報「じんけんちょっと知っ得」』,2020年10月,https://www.city.sanuki.kagawa.jp/wp-content/uploads/2020/08/10humanrightsissues.pdf (閲覧日:2022年12月22日)

一般社団法人日本ハラスメント協会 事務局「ハラスメント種類  最新(2023年版)ハラスメント種類2023/2022/2021/2020/2019/2018職場でよくあるハラスメント種類 一覧表」, URL(閲覧日:2023年1月31日)