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「ねえねえ、暇じゃない?お金を賭けてトランプしようよ!」
「賭けじゃないと楽しくないわ!」
「少ない金額なら大丈夫だよ!」
友人と集まったとき、そんな風に誘惑されたことはありませんか。多くの人は、少額なので、法律違反にならないと思い込んでいて、気軽にやってしまうかもしれません。
しかし、実は、このような賭け・賭博の行為は「法律違反」に該当する可能性があります。法律上、賭博罪は刑法で規定され、刑罰が非常に重くて厳しいものです。
本記事では、賭博とはどんなものか、違法とみなされている賭博の種類、賭博に関する法律について詳しく解説します。本記事を参考にして、賭博の行為を絶対に避けましょう。
1. 賭博の悪状況とは?まず知りたい「賭博」の基本知識
まずは、賭博についての基本知識を紹介します。
賭博とは
賭博は深刻な社会問題で、想像以上に大変なことに結び付いてしまうにもかかわらず、現在でも平然とやっている人が多く見られます。そのため、「賭博罪」を避けるためには、賭博に関する正しい知識を十分に身に付けることが大切です。
賭博(とばく)とは、トランプ、ソックディア(丁半博打)、サッカーの賭け、オンラインギャンブルといったさまざまな形でお金や物を賭けて遊ぶことです。法律で認められていない賭博をすることは、犯罪です。
賭博に使われる現金は、ベトナムドン、又は外貨です。現物としては、スマホ、パソコン、車、時計、高価なアクセサリーなどがあります。
賭博の種類
賭博にはさまざまな種類がありますが、最近流行している賭博は、次のような種類です。
・ソックディア
・賭けトランプ
・オンラインギャンブル
・ナンバーくじ
・サッカーの賭け
これらはよく行われている賭博行為ですが、「賭博罪」であると認識する人はほとんどいません。
また、賭博は屋台、喫茶店、駅前などの公共の場所で堂々と行われる場合があります。友達や知人と集まったとき、「一緒にやろう!」と誘われるのも珍しいことではありません。最初はただの娯楽のつもりでも、だんだん金額が多くなり、次第に貴重な財産も賭けるようになってしまいます。ですから、賭博行為は絶対に「NO!」と断りましょう。
2. 賭博をする原因
人々は、一体なぜ賭博をしてしまうのでしょうか。賭博の状況が深刻になり、社会に悪影響を与えている原因を調べてみましょう。
・お正月や休日などにおける生活習慣
賭博をする原因の一つは、お正月やお祭りで多くの人が集まった際、闘鶏、ソックディア、トランプなどをするという、ベトナム人の昔ながらの伝統に由来します。本来の目的は娯楽ですが、徐々に勝敗に本気を入れ、多額のお金を賭け、借金をするようになってしまいます。
・「娯楽の手段としてやるので、違法にならない」という思い込み
多くの人は、賭博を「娯楽の手段として、ちょっとだけ遊ぶぐらいなら大丈夫」と思い込み、気軽に始めてしまいます。しかし、賭博はすればするほど止められなくなり、「このゲームでもっとたくさんお金を儲けるぞ!」という欲が生まれます。そうして賭博のせいで借金を負い、暴行・監禁され、さらには命まで脅かされるケースが少なくありません。
・法律で禁止されているが、取り締まりが厳しくない
賭博は、賭博罪に関する規定は存在するものの、行政処分や刑事処分の制裁が明確に定められていません。そのため、管轄官庁が厳しく取り締まりを実施していないのです。また、各部署と管轄官庁間の協力も、決して緊密とはいえません。
3. 賭博の危険性
賭博は非常に危険で、深刻な社会問題となり、社会秩序・安全の状況に悪影響を与えています。また、賭博に参加した自分自身だけではなく、家族にも財産的損害・精神的損害を及ぼします。
・懲役刑
賭博は「罰金」にとどまらず、「懲役」が科せられるケースも少なくありません。特に、常習的な賭博は重い罪であるとみなされ、3年以下の懲役が科せられる可能性もあります。
・多額の借金をしてしまう
「ちょっとだけ遊んでみよう。持っているお金が無くなったら帰るから大丈夫!」と思うかもしれません。でも、賭博をしている場所に行くと、簡単には帰れません。多額のお金を賭けてゲームに負け、すぐ支払えなければ、あなたに借金をさせて、部屋に閉じ込めたり、家族の名前や連絡先を聞いたりします。
実際に、賭博で負けて数十億ドンのお金を借金し、その人の親が家を売って借金を返した、というケースも少なくありません。賭博はあなたが破産するだけでなく、家庭崩壊の原因にもなるのです。子供も、大人の賭博行為から悪い影響を受けてしまいます。
そんなことにならないように、ただ遊ぶ目的であっても、友達や知人からの賭博の誘いには絶対に乗らず、賭博をしている場所にも行かないようにしましょう。
・他の犯罪に巻き込まれる
賭博をする場所には、悪い人がたくさんいます。ですから、賭博をしている場所に行くと、いろいろな犯罪に巻き込まれることがあります。例えば、麻薬、盗み、売春、さらに人身売買や殺人などです。
例えば、麻薬は依存性薬物であり、一度使ってしまうと、なかなか止めることができません。麻薬中毒はとても危険です。体がボロボロになるだけでなく、幻覚や妄想が現れるなど、健康と精神の両方に影響が及びます。
また、賭博をするお金を手に入れるために、盗みをする人もいます。賭博も盗みも犯罪です。麻薬、売春、人身販売も犯罪で、重い刑が科されます。
4. 外国におけるベトナム人の賭博の実態
ベトナム人の賭博悪状況は、国内だけでなく、カンボジアや日本など海外でも深刻な問題となっています。
ロンアン省の警察の統計によると、2019年春[1]から、毎日約1,000人のベトナム人がカンボジアに賭博に行っています。警察は、433か所の賭博場を発見し、100億ドン以上の現金と賭博活動に関連する現物を押収しました。また、2,270人が逮捕されました。
日本では、ベトナム人技能実習生が集まって違法な賭博を行ったことが大きな問題になっています。 ベトナム人技能実習生の賭博実態について報道する際、「ソックディア」や「ローデー」といったベトナム語の単語が、日本のメディアでも使用されるようになりました。
NHKの番組では賭博が社会問題として取り上げられ、ベトナム人グループがアパートに集まってソックディアをしている映像が流れました[2]。また、千葉県警がベトナム人29人をソックディアの容疑で逮捕したという事件もあります。賭博が原因のトラブルによる誘拐・監禁事件なども、日本全国で相次いでいます。
[1] 人民の警察新聞「国境を超えた賭博の悪状況」,https://cand.com.vn/Phong-su-Tieu-diem/cstc-i542951/(閲覧日:2022年8月9日)
[2] Vnexpress新聞「ベトナム人人技能実習生の賭博の悪状況・日本警察からの報告」,https://vnexpress.net/canh-sat-nhat-canh-bao-nan-co-bac-cua-thuc-tap-sinh-viet-4264777.html(閲覧日:2022年8月9日)
5. 賭博罪に関する法律の規定
前述のように、多くの人は「娯楽目的の賭博」は違法ではないと勘違いしています。しかし、実際には法律で認められていない賭博は全て違法です。
ベトナム刑法では、賭博罪に対する罰金と懲役が規定されており、そのうち罰金は最大1億ドン、懲役は最大7年です[3]。
外国、特に日本でも、賭博罪には非常に厳しい規制があります。法律で許可されていなければ、少額の賭博でも逮捕されます。罰金は最大50万円(約1億ベトナムドン)で、3年の懲役が科される可能性があります[4]。
特に、日本での取り締まりは非常に厳しくなっています。次のe-Learning教材を見て、賭博罪の深刻さを認識しましょう。
[3]ベトナム2015年刑法第321条
[4]日本刑法第185条および第186
6. 賭博行為を避けましょう!
最後に、賭博の悪状況を防ぐための心構えと、賭博に巻き込まれてしまった際の対策をご紹介します。
・賭博はどんな形でも絶対しない!
お正月や長い休みの期間、友達や親戚から「お金を賭けてトランプしよう!」「楽しいからやってみよう」と賭博に誘われるかもしれません。しかし、軽い気持ちで賭博をすると、重大な結果が発生してしまう可能性があります。また、周りの人々に賭博の危険性を理解してもらうために、常に彼らに警告する必要があります。
・現地の管轄官庁としっかり協力する
海外での犯罪に対しては、大使館は現地の警察と協力し、賭博の悪状況の危険性を広く宣伝する必要があります。
例えば、在日ベトナム大使館は、日本にいるベトナム人の賭博罪を防止するため迅速な対応を行っているようです。また、不法な団体に巻き込まれた被害者や困難に遭った人がいつでも相談できるように、ホットラインが設けられています。
・在日ベトナム大使館のホットライン:080-3590-9136
・日本警察のホットライン(ベトナム語あり):110
ベトナムとカンボジアの国境も、賭博の「ホットスポット」となっています。ベトナム人がカンボジアとの国境の地域で違法の賭博行為を行うことを防止するために、ロンアン省警察署の局長は、さまざまな専門的措置を同時に実施するようにしています。また、人々に賭博の危険性が伝わるよう、積極的に宣伝活動を行っています。
7. まとめ
賭博とは、お金や物を賭けて遊ぶことです。法律で認められていない賭博をすることは、全て犯罪です。賭博には次のような種類があります。
・ソックディア
・賭けトランプ
・オンラインギャンブル
・ローデー
・サッカーの賭け
本記事では、違法な賭博の危険性について何度も触れました。どんな形でも、賭博は絶対にしてはいけません。
海外で生活し働く人々も、現地の法律を遵守し、安全かつ健康に生活しなければなりません。ライトワークスでは、日本での生活に役立つ情報をWebサイトやYouTubeチャンネルで提供しています。ぜひチェックしてみてください。
参考)
人民の警察新聞「国境を超えた賭博の悪状況」,https://cand.com.vn/Phong-su-Tieu-diem/cstc-i542951/(閲覧日:2022年8月9日)
Vnexpress新聞「ベトナム人人技能実習生の賭博の悪状況・日本警察からの報告」,https://vnexpress.net/canh-sat-nhat-canh-bao-nan-co-bac-cua-thuc-tap-sinh-viet-4264777.html(閲覧日:2022年8月9日)
ベトナム2015年刑法第321条
日本刑法第185条および第186条