外国人労働者の職種 在留資格とのマッチングに注意!採用時のポイント

「日本人の中途採用が難しくなってきた。外国人労働者の受け入れを検討しているが、どんな仕事を任せられるのだろう?」

人口が減少している日本で採用を行う人事担当者の方は、理想的な人材の採用が年々難しくなっていると実感している方も多いのではないでしょうか。

人材サービスを提供するパーソル総合研究所の「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査[1]」によると、「外国人雇用を実施している企業」の多くが今後の人材確保策にも「外国人採用・活用強化」を挙げています。

逆に、「外国人雇用を実施していないが導入を検討している企業」は、優先的な人材確保策に「中途採用の促進」を挙げており、日本人採用を積極的に進める傾向です。

外国人活用のスタンスは、外国人雇用を実施している企業としていない企業で、二極化しつつあります。

今後も人口の減少が続けば、日本人の採用はますます難しくなるでしょう。そのため、できるだけ早い段階で、外国人労働者の採用を念頭に置くべきです。

しかし、外国人労働者を迎え入れるには、日本人採用にはないプロセスが必要です。

本稿では、外国人労働者が活躍している職種や、これから活躍が期待される職種、実際に採用をスタートする上で欠かせないポイントなどを丁寧に解説していきます。これから外国人雇用をスタートする人事担当者の方の参考となれば幸いです。

[1] パーソル総合研究所,「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査」, https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/employment-of-foreigners.html(閲覧日:2022年2月21日)

外国人雇用のガイドブック_まなびJAPAN

1. 日本で活躍している外国人労働者の職種とは

外国人労働者と聞くと、一般的に建設現場などで働く「技能実習生」をイメージされる方が多いかもしれません。

厚生労慟省が発表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)[2]」によると、日本で就労する外国人労働者の在留資格は「身分や地位に基づく在留資格」が全体の31.7%と最多で、「技能実習」23.3%、「資格外活動」21.5%、「専門的・技術的分野の在留資格」20.8%です。

外国人労働者は、技能実習だけでなく、さまざまな在留資格を持って活躍していることが分かります。

ここでポイントです。日本に在住する外国人は、「永住者」や「日本人の配偶者等」などの「身分や地位に基づく在留資格」を所有している人を除き、在留資格で認められた職務内容でしか働くことができません。誤って働かせてしまうと、法的な責任が発生します。

この規制は年々厳しくなっており、食品メーカーである株式会社中村屋が入管難民法違反(不法就労助長)で書類送検されたことが記憶に新しい方も多いでしょう[3]

外国人労働者を受け入れる際に、「知らなかった」では済まされない知識が在留資格です。

1-1. 外国人労働者の職種は「在留資格」が超重要

在留資格とは、外国人が日本に滞在し、活動するために必要な資格のことで、出入国在留管理庁が管轄します。在留資格は全部で29種類(2022年2月現在)あり、一人が同時に2つの在留資格を持つことはできません[4]

在留資格自体については別記事で解説しているので、詳しく知りたい方は下記コラムをご覧ください。

在留資格別の具体的な仕事内容を紹介します。

[1]技能実習

「技能実習」で就労できる仕事内容は、技能実習法により細かく指定されており、85職種156作業に分類されます(2022年2月時点)[5]

業種は「農業」「漁業」「建設」「製造」「介護」などがあり、「かつお一本釣り漁業」「鉄筋組立て」「くん製品製造」「オフセット印刷」など、従事できる作業も決まっています。

[2]資格外活動

「資格外活動」は、在留資格の名前ではありません。保有している在留資格とは異なる活動で、収入を伴う事業の運営や報酬を受けようとする場合に必要な許可のことです。主に「留学」の在留資格を持つ学生のアルバイトに適用されます。

私たちの日常生活でよく見かけるコンビニの外国人労働者は、この許可を受けている場合が多いでしょう。

就労できる仕事内容に指定はありませんが、「出入国管理及び難民認定法」により、風俗営業や性風俗特殊営業などに従事することは禁止されています[6]

原則として1週間で28時間以内の就労が認められるため、労働時間に注意が必要です。

[3]専門的・技術的分野

「専門的・技術的分野」も、在留資格の名前ではありません。「教授」「医師」「教育」などの専門的な資格を要する在留資格から、一般的な職種での労働を包括的に可能とする在留資格「技術・人文知識・国際業務」まで、幅広く当てはまります。

「技術・人文知識・国際業務」の仕事内容は「営業」「マーケティング」「広報」「デザイナー」「エンジニア」など、いわゆるホワイトカラーの職種が当てはまります。

単純作業は認められておらず、当資格を持つ外国人労働者に工場のライン作業などを行わせるのは違法です。

在留資格の壁」としてコンビニ業界の苦悩があります。前述の「資格外活動」で許可を受けコンビニでアルバイトを行っていた留学生に対し、卒業後はそのまま正社員として働いて欲しいと願うコンビニ企業は少なくありません。

しかし、コンビニ業務は単純作業に分類されるため、「技術・人文知識・国際業務」では認められません。さらに、単純作業の就労も可能な「特定技能」で指定された14の産業分野にもコンビニ業界は含まれていません。

コンビニ業界は、経験とスキルを持った優秀な外国人労働者を「在留資格の壁」によって手放すしかない状況です。

1-2. これから活躍が期待される職種

すでにさまざまな分野で活躍している外国人労働者ですが、人手不足が顕著な業界・職種では、さらに需要が高まることが予想されます。

[1]IT業界(エンジニア・プログラマー)

経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査[7]」によると、2030年までに約79万人のIT人材が不足する可能性があるとされています。

この穴を埋めるために、外国人労働者が注目されています。特に、急速にICT技術が向上している国、ベトナム出身のエンジニアに熱い視線が集まっています。

ベトナムの理系最高峰であるハノイ工科大学では、卒業後に日本のIT企業への就労を目的とした産学共同プロジェクトが組まれるなど、国家レベルの活動となっています。

[2]介護業界(介護職)

長年の人手不足を解消する手段の柱の一つに、外国人労働者の活用が挙げられます。政府も積極的に介護職での外国人労働者の受け入れを進めており、企業が外国人労働者を介護職で受け入れる制度は4パターン存在します[8]。(2022年2月現在)

介護職は利用者の日常生活のサポートが中心のため、他業種よりも日本文化の理解が求められます。文化的背景が異なる外国人労働者が働き続けられる環境の整備が鍵となります[9]

他にも、営業職やマーケティングなど、外国人ならではの視点を生かして新しい分野を開拓できる職種においても、今後の活躍が期待されています。

[2]厚生労働省,『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和2年10月末現在)』, https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000729116.pdf(閲覧日:2022年2月21日)
[3] 日本経済新聞,「在留「拡大解釈」許さず 中村屋、入管法違反容疑で書類送検」,『日本経済新聞』, https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79804350S2A200C2EA1000/(閲覧日:2022年2月21日)
[4] 出入国在留管理庁,「在留資格一覧表」,『出入国在留管理庁』https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/qaq5.html(閲覧日:2022年2月21日)
[5] 厚生労働省,「技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能実習評価試験試験基準」,『厚生労働省』 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/002.html(閲覧日:2022年2月21日)
[6] 出入国在留管理庁,「資格外活動許可について」,『出入国在留管理庁』,https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/nyuukokukanri07_00045.html(閲覧日:2022年2月21日)
[7] みずほ情報総研株式会社,「IT 人材需給に関する調査」,2019年3月公表https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf(閲覧日:2022年2月21日)
[8] 厚生労働省,「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」,『厚生労働省』https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html(閲覧日:2022年2月21日)
[9] 東洋経済,「人手不足の「介護業界」外国人労働者は定着するのか」,『東洋経済ONLINE』https://toyokeizai.net/articles/-/418328(閲覧日:2022年2月21日)

2. 外国人労働者採用の始め方

ここからは、実際に外国人労働者の採用を行うための3つのステップを紹介します。

[ステップ1]人材ニーズの精査
[ステップ2]外国人労働者のキャリアプランを決める
[ステップ3]求人を出す

2-1. 人材ニーズの精査

まず行うことは、自社の人材ニーズの精査です。日本人採用の場合は、入社して思ったようなパフォーマンスが発揮できなかった場合、別の仕事を任せてみるという「人に仕事を合わせる」働かせ方が可能ですが、外国人労働者の場合はそうはいきません。

外国人労働者は在留資格で認められた仕事にしか就つけないため、日本人よりもジョブ型雇用に適しています。

現場がどのような人材を求めているか、実務レベルで人物像を明確にしていきましょう。具体的には、その人物が実際にオフィスで働いている姿から、1日の業務の流れまで想定できるくらい粒度が細かいとよいでしょう。

【例】募集職種:営業職
・求める日本語レベル:N2(日本語でディスカッションできるレベル)
・担当するクライアント:外資系メーカーがメイン
・想定年齢:28~32歳
・直属の上司、同僚:Aさん(男性、38歳、課長職)、Cさん(女性、25歳、入社3年目)
・任せる仕事内容:外資系メーカー企業に対するインサイドセールス補助業務からスタートし、半年程度経験を積む。商品知識や顧客理解がある程度進んだら、フィールドセールスへと配置転換予定。ゆくゆくは外資系企業担当のリーダーを任せていきたい。
・人物イメージ:チームでの成果を重視する部署のため、個人主義だとマッチしない。前工程、後工程に携わるメンバーのことも気遣った仕事の仕方ができる人が良い。

外国人労働者の受け入れは、ともに働く日本人スタッフの協力が必要不可欠です。外国人採用を始める前に、外国人労働者を受け入れることで現場にどのような成果が望めるのかということを説明するとよいでしょう。

2-2. 外国人労働者のキャリアプランを決める

具体的な職務や人物像がイメージできたら、その人物のキャリアプランも明確にしていきましょう。

ジョブ型に特化している外国人労働者は、自身のキャリアプランに非常に興味があります。入社後、どのようなことを求められ、どのように評価をされていくのかを事前に提示することで、外国人労働者にとって魅力のある企業という印象を持ってもらうことができます。

実際に、パーソル総合研究所の「日本で働く外国人材の就業実態・意識調査[10]」で、外国人労働者の仕事選びの重要項目の上位に「自分のやりたい仕事であること(3位)」「いろいろな知識やスキルが得られること(4位)」が挙がっています。

同様の質問に対する日本人労働者の回答順位は「自分のやりたい仕事であること(6位)」「いろいろな知識やスキルが得られること(12位)」であることからも、外国人労働者の方がより「仕事内容」「キャリアアップ」を重視していることが分かります。

引用元)パーソル総合研究所,日本で働く外国人材の就業実態・意識調査,https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/foreigners-working-in-japan.html(閲覧日:2022年3月18日)

同時に、同調査で外国人労働者が感じる職場に対する不満の1~ 3位が「昇進・昇格が遅い」「給料が上がらない」「給料が安い」となっており、自分の仕事の成果に対する還元が十分でないと感じている外国人労働者が多いようです。

引用元)パーソル総合研究所,日本で働く外国人材の就業実態・意識調査,https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/foreigners-working-in-japan.html(閲覧日:2022年3月18日)

このような不満を防ぐためにも、キャリアプラン構築と同時に、昇給の基準も明確にしておきましょう。在留期間に期限のある外国人労働者を日本人の賃金テーブルに当てはめるのは得策ではありません。準備は大変ですが、専門家や専門機関に教育・研修制度を含めた外国人労働者専用の社内制度を構築してもらうことが望ましいでしょう。

2-3. 求人を出す

外国人労働者に任せたい職務が明確になり、専用の社内制度作りが完了したら、求人を出し、いよいよ採用活動を開始します。外国人労働者を採用する方法は下記の3つが代表的です。

[1]求人広告・人材紹介サービスの利用
[2]公的サービスの利用
[3]大学との連携

それぞれ見ていきましょう。

[1]求人広告・人材紹介サービスの利用

民間の人材支援会社による求人広告や人材紹介サービスを利用する方法で、最も一般的な募集方法です。近年では外国人労働者専用のサービスが多数提供されており、「医療・介護分野」「留学生」「ハイキャリア人材」など、それぞれ得意とする分野があります。

求人広告の場合は、採用の可否に関わらず掲載費用が発生することがほとんどです。一方、人材紹介サービスの場合は、採用できるまで費用はかからない代わりに成功報酬費用が発生し、求人広告費より高額になる傾向があります。

近年では「ジョブフェア」と呼ばれる合同企業説明会と面接会を兼ねるイベントも開催されています。ベトナムやインドネシアなど、現地に在住しており日本で働きたい外国人向けの「現地開催型」、在日外国人向けの「日本国内開催型」、場所を問わない「オンライン型」など、需要の拡大とともに多様化しています。採用の成否にかかわらず、一定の費用を支払うタイプが一般的です。

民間会社のサービスを利用するには費用が発生しますが、外国人採用のノウハウが豊富な専門業者に依頼することで、自社の理想とする人材に出会いやすいというメリットがあります。

[2]公的サービスの利用

ハローワーク(公共職業安定所)では、就労が認められている外国人に対し、在留資格に応じた求人の紹介を行っています。四谷と新宿の都内2カ所では外国語通訳員を配置し、支援を行っています[11]

また、東京都は「海外高度人材獲得支援事業[12]」の一環で、インドやタイ、ベトナムなどの東京で働きたい外国人に向けたオンライン合同企業説明会を開催しています。

公的サービスは費用がかからないということが最大のメリットです。一方、担当者によって知識に幅があったり、時間と労力がかかる割に思うような成果が得られなかったりする可能性があります。外国人労働者の活用を検討する第一歩として、まずは公的サービスを利用してみるのもよいでしょう。

[3]大学との連携

留学生を新卒外国人労働者として雇用する場合は、大学に直接求人票を送ることも有効です。

日本国内で留学生が多い大学は、キャリアセンター内に外国人を支援する部門が設置されていることがあります。また、例えばベトナムの場合、現地の大学が日本企業と連携してジョブフェァを開催することもあるので、各大学に問い合わせてみるのも方法の一つです。

自社が求める人材と出会う方法は一つではありません。複数の方法を掛け合わせて理想的な外国人労働者と出会える勝ち筋を探してみましょう。

2-4. 求人内容のポイント

求人に記載する内容自体は日本人と大きく変わりませんが、ポイントが4つあります。

[1]求める日本語レベルを記載する
[2]ターゲット像の母国語で表記する
[3]必要な在留資格が分かるようにする
[4]人種・人権侵害と捉えられないようにする

[1]求める日本語レベルを記載する

ほとんど日本語が分からなくても就労できるのか、流暢な日本語が必要なのかなど、求める日本語レベルを記載します。日本語検定といった、レベルの共通認識がしやすい資格名で記載すると、認識相違が少なくなります。

[2]ターゲット像の母国語で表記する

高度な日本語レベルが必要な求人以外は、英語やターゲット像の母国語など、外国人労働者の目に留まりやすい表記にします。母国語で記載がされている方が、仕事内容や条件などの理解がしやすいというメリットもあります。

[3]必要な在留資格が分かるようにする

採用直前に「必要な在留資格を所持していなかった」ということがないように、求人票に必要な在留資格を記載しておくとよいでしょう。その際、現時点での所持がマストなのか、取得予定でも応募可能なのかも記載しておくと、外国人労働者が混乱することを防げます。

[4]人種・人権侵害と捉えられないようにする

募集職種によっては、特定のスキルを持った人材が欲しい場合もあるでしょう。例えば、中国人に向けて接客をする機会が多い仕事で、中国語を話せる人材を募集する場合、「中国人の方」と記載するのは国籍を限定し、人種差別となる可能性があるためNGです。「中国語がネイティブレベルで話せる方」のように記載し、法律で定められている公正な採用を厳守しましょう。

[10] パーソル総合研究所,日本で働く外国人材の就業実態・意識調査,https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/foreigners-working-in-japan.html(閲覧日:2022年3月18日)
[11] 東京労働局,「Q5.ハローワーク(公共職業安定所)では、外国人労働者を紹介しているのですか。」,『東京労働局』https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/gaikokujinkoyou/Q5.html(閲覧日:2022年2月21日)
[12] 東京都,「TOKYO CAREER GUIDE 東京で働こう。」,https://www.tdh.metro.tokyo.lg.jp/(閲覧日:2022年3月18日)

3. まとめ

本稿では、外国人労働者が活躍している職種や、これから活躍が期待される職種、実際に採用をスタートする上で欠かせないポイントなどを解説しました。

外国人を採用するには、在留資格がとても重要です。

在留資格とは、外国人が日本に滞在し、活動するために必要な資格で、「永住者」や「日本人の配偶者等」などの「身分や地位に基づく在留資格」を所有している人を除き、在留資格で認められた職務内容でしか働くことができません。

現在、日本で就労している外国人労働者の在留資格は「身分や地位に基づく在留資格」が全体の31.7%と最多で、「技能実習」23.3%、「資格外活動」21.5%、「専門的・技術的分野の在留資格」20.8%と、4つに大別されます。

身分や地位に基づく在留資格……職種制限なし
技能実習……「かつお一本釣り漁業」「鉄筋組立て」「くん製品製造」「オフセット印刷」など、85職種156作業に分類
資格外活動……主に「留学」の在留資格を持つ学生のアルバイトに適用される許可。職種制限はないが、就労時間は原則として1週間で28時間以内
専門的・技術的分野…「教授」「医師」「教育」「技術・人文知識・国際業務」など、主にホワイトカラーと呼ばれる在留資格の総称。「営業」「マーケティング」「広報」「デザイナー」「エンジニア」などの職種を含む

すでにさまざまな分野で活躍している外国人労働者ですが、人手不足が顕著なIT業界や介護業界では、さらに需要が高まることが予想されています。

外国人労働者の採用を行うには、以下の3つのステップに沿って準備を進めます。

[ステップ1]人材ニーズの精査
[ステップ2]外国人労働者のキャリアプランを決める
[ステップ3]求人を出す

[ステップ1]人材ニーズの精査
外国人労働者は在留資格で認められた仕事にしか就つけないため、日本人よりもジョブ型雇用に適しています。現場がどのような人材を求めているか、実務レベルで人物像を明確にしていきましょう。

[ステップ2]外国人労働者のキャリアプランを決める
ジョブ型に特化している外国人労働者は、自身のキャリアプランに非常に興味があります。入社後、どのようなことを求められ、どのように評価をされていくのかを事前に提示することで、外国人労働者にとって魅力のある企業という印象を持ってもらうことができます。

キャリアプラン構築と同時に、在留期間に期限のある外国人労働者用の昇給基準も作成しましょう。

[ステップ3]求人を出す
外国人労働者を採用する方法は下記の3つが代表的です。

[1]求人広告・人材紹介サービスの利用
費用が発生しますが、外国人採用のノウハウが豊富な専門業者に依頼することで、自社の理想とする人材に出会いやすいというメリットがあります。

[2]公的サービスの利用
公的サービスは費用がかからないことが最大のメリットです。一方、担当者によって知識に幅があったり、時間と労力がかかる割に思うような成果が得られなかったりする可能性があります。

[3]大学との連携
留学生を新卒外国人労働者として雇用する場合は、大学に直接求人票を送ることも有効です。日本国内で留学生が多い大学は、キャリアセンター内に外国人を支援する部門が設置されていることもあるため、問い合わせてみることをおすすめします。

複数の方法を掛け合わせて理想的な外国人労働者と出会える勝ち筋を探してみましょう。

求人に記載する内容は日本人募集を大きく変わりませんが、ポイントが4つあります。

[1]求める日本語レベルを記載する
[2]ターゲット像の母国語で表記する
[3]必要な在留資格が分かるようにする
[4]人種・人権侵害と捉えられないようにする

外国人労働者を受け入れることは、人手不足の解消が見込めるだけでなく、日本人だけでは気付かない視点を取り入れ、企業体質をグローバルスタンダード化する近道になります。ぜひ前向きに取り組んでいきましょう。

外国人雇用のガイドブック_まなびJAPAN

参考)
出入国在留管理庁「在留資格一覧表」,『出入国在留管理庁』https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/qaq5.html(閲覧日:2022年3月23日)
厚生労働省,「技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能実習評価試験試験基準」,『厚生労働省』https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/002.html(閲覧日:2022年3月23日)

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